自宅で作れるチーズとして人気が高い「リコッタチーズ」と「カッテージチーズ」。
一見似ているこの2つのチーズですが、実は製法や味わい、食感に大きな違いがあります。
さらに、家庭でカッテージチーズを作る際、「酢」と「レモン」のどちらを使うかでも風味や食感が変わることをご存知でしょうか？
この記事では、リコッタとカッテージチーズの違いを詳しく解説しつつ、酢とレモンを使った際の味わいの違いについても紹介します。
リコッタチーズとは？
製法の特徴
リコッタチーズは、チーズを作る際に出る「ホエー（乳清）」を再加熱（リコッタ＝「再び煮る」の意味）して作られます。
ホエーに残っているたんぱく質（主にアルブミンやグロブリン）を凝固させて取り出したものがリコッタです。
食感と味わい
リコッタはしっとりとしてなめらか、口の中でふんわりとほどける食感が特徴です。
味わいはミルキーでほんのり甘さがあり、料理にもデザートにも使いやすい万能チーズです。
主な使い方
- ラザニアやパスタ料理
- デザート（チーズケーキやパンケーキ）
- トーストやサラダへのトッピング
カッテージチーズとは？
製法の特徴
カッテージチーズは牛乳に酸（酢やレモン汁）を加えて、たんぱく質（主にカゼイン）を凝固させ、ホエーと分離させて作ります。
その後、固まったカード（凝乳）を細かく砕いてホエーを除いたものがカッテージチーズです。
食感と味わい
カッテージチーズはぽろぽろとした粒状の食感が特徴で、リコッタよりもしっかりとした食感があります。
味わいはさっぱりとしていてクセがなく、料理のアレンジがしやすいです。
主な使い方
- サラダやサンドイッチ
- ディップやスプレッド
- デザート（軽めのチーズケーキなど）
リコッタとカッテージチーズの違いまとめ
| 項目 | リコッタチーズ | カッテージチーズ |
|---|---|---|
| 原料 | ホエー | 牛乳 |
| 製法 | 再加熱によるたんぱく質凝固 | 酸によるたんぱく質凝固 |
| 食感 | なめらか・しっとり | ぽろぽろ・粒状 |
| 味わい | ミルキー・やや甘み | さっぱり・クセがない |
| 主な用途 | 料理・デザート両用 | サラダ・軽食・デザート |
カッテージチーズ作り：酢とレモンで味はどう変わる？
酢を使った場合
風味の特徴
酢を加えると、ややシャープでクリアな酸味が加わり、さっぱりした味わいになります。
酢の種類（穀物酢、米酢、リンゴ酢など）によっても風味が異なりますが、一般的にはクセが少なく、料理用に使いやすい仕上がりになります。
食感の特徴
酢は乳たんぱくを比較的短時間でしっかりと凝固させるため、ややしっかりめの粒ができやすいです。
ポロポロ感が強めになります。
レモンを使った場合
風味の特徴
レモンを加えると、ほのかな柑橘系の香りとまろやかな酸味が加わり、フレッシュな風味が楽しめます。
デザートやそのまま食べる場合にはレモンの方が人気があります。
食感の特徴
レモン果汁は酢よりもやさしくたんぱくを凝固させるため、粒がやややわらかめに仕上がり、しっとり感が増します。
酢とレモン、どちらがおすすめ？
用途別の選び方
| 用途 | 酢使用のカッテージチーズ | レモン使用のカッテージチーズ |
| サラダ・サンドイッチ | ◎（さっぱりして相性が良い） | ○（風味が優しいので軽いアクセントに） |
| ディップ・スプレッド | ◎（酸味がきいてコクが出やすい） | ◎（フレッシュ感が加わる） |
| デザート・そのまま食べる | ○（クセがないので汎用性高い） | ◎（香りとまろやかさが生きる） |
まとめ
- 酢：料理全般に使いやすい万能タイプ。しっかりした食感を求める時に。
- レモン：デザートやそのまま食べる時におすすめ。香りがアクセントになる。
カッテージチーズ作りのコツ
温度管理
牛乳を加熱する際は80〜85度前後を目安に。
高すぎるとボソボソになり、低すぎると分離が甘くなります。
酢・レモンの加え方
火を止めてから静かに加えて混ぜることで、ムラのないきれいなカードができます。
かき混ぜすぎないことがポイントです。
水切り時間
- 短め（10分程度）：しっとり系
- 長め（30分以上）：ぽろぽろ系
好みに応じて調整しましょう。
さいごに
リコッタチーズとカッテージチーズは、一見似ているようでまったく異なる製法と味わいを持つチーズです。
また、カッテージチーズを作る際に酢を使うかレモンを使うかで、仕上がりの風味や食感が変わります。用途や好みに応じて使い分けることで、よりチーズ作りが楽しくなるはずです。
ぜひ自分好みの味わいを見つけてみてください！
さらに、カッテージチーズはお子さまのおやつや朝食にもぴったり。
フルーツと組み合わせたり、はちみつをかけて楽しんだりとアレンジの幅が広いのも魅力です。
市販品よりも手作りの方が新鮮で無添加なので、健康志向の方にもおすすめですよ。
これを機に、ぜひ一度手作りに挑戦してみてはいかがでしょうか？
ちなみに、作り終わった後に出るホエー（乳清）も栄養豊富で無駄にするのはもったいないもの。
スムージーに加えたり、パンやホットケーキの生地に混ぜ込んだりすることで、ほんのりとした旨みと栄養を活用できます。
チーズ作りは「作る楽しみ」だけでなく「使いきる楽しみ」もあるんですね。
リコッタチーズやカッテージチーズは、慣れてくると10〜20分程度で手軽に作れるので、忙しい日常の中でも気軽に楽しめます。
ぜひご家庭で自分なりのアレンジや使い方を見つけて、食卓に取り入れてみてください！
